俺ガイル 解説

注 ネタバレ満載です。俺ガイル、10巻をこえたのでそろそろまとめてみようかなと思ってつくりました。

雪ノ下陽乃の登場シーンまとめ 文化祭の終わりまで

雪ノ下陽乃、雪の下雪乃の姉で、能力で雪ノ下を凌駕し、
外面も完璧、高校生の考えなんてお見通しといわんばかりの、
完全超人の役割を演じてる人です。

陽乃の登場シーンは凄まじく物語の進行に影響しているので、
まとめてみようかと思います。

 

初登場シーン(第3巻)
由比ヶ浜と八幡の仲にすれ違いが生じた後、
由比ヶ浜の誕生日プレゼントを雪ノ下と八幡が買いに出かけたときでした。

クレーンゲームでパンダのパンさんを八幡が手に入れ、
雪ノ下に渡したとき
「あれー?雪乃ちゃん?あ、やっぱり雪乃ちゃんだ!」
と登場する陽乃。

そして、物語を一歩進める。
「一人暮らしのことだって、お母さんまだ怒ってるんだから」
「雪乃ちゃんがちゃんと考えてるならそれでいいんだ。
 余計なお世話だったかな。ごめんごめん。」

合宿帰りの雪ノ下を連れていくシーン(第4巻終わり)
「雪乃ちゃんてば夏休みはおうちに戻ってくるようにって言われてたのに
 全然返って来ないんだもん。心配して迎えに来ちゃった!」
由比ヶ浜と陽乃がはじめて知り合います。
陽乃は初対面から、由比ヶ浜と八幡の関係にしつこく釘をさします。
「えーっと、新キャラだねー。あなたは、・・・・・・、比企谷くんの彼女?」「あ、でも、比企谷くんに手を出しちゃだめだよ。それは雪乃ちゃんのだから」

そして、八幡に例のハイヤーを目撃させます。
これで、雪ノ下が、由比ヶ浜と八幡と連絡を取りづらくなります。

嘘はついていないけれど、本当のことを言わない雪ノ下を見せつけたから。

 

花火大会 有料エリア(第5巻)
ここで、雪ノ下がいない場面ではじめて、八幡と陽乃が話します。

由比ヶ浜と八幡がデート中。からかいを込めながらもまた由比ヶ浜を牽制。
「それはそうと・・・・・・。浮気は感心しませんなー」
・・・中略・・・
「じゃあ、本気か・・・・・・。なおさら許せませんなー」

 

雪ノ下の家庭の事情とやらも、少し明らかに。
「こういう場に出るのは長女であるわたし。昔から母の方針なの。」
「あのね、うちって母が強くて怖いんだよー」
「雪乃ちゃんが?怖い?」
「もう、失礼だなぁ、比企谷君は。あんな可愛い子をそんなふうに思ってたのー?」
「母はわたしより怖いよ」
「何が何でも決めて従わせようとする人だから、
 こっちが折り合いをつけるしかないんだけど・・・・・・、
 雪乃ちゃん、そういうのへたっぴだから」
「だから少し意外だったんだよ。
 高校入学してから一人暮らししたいって言い出したのは。」
「母は最後まで反対していたし、今も認めていないんだろうけど・・・・・・」

雪ノ下の過去についても、少しだけ。
由比ヶ浜とのデートだったのかと確認したあと、
「ふぅん・・・・・・。その照れ方は怪しいなー。けど、もしデートだったんなら・・・・・・」
「・・・・・・雪乃ちゃんは、また選ばれないんだね」

 

 雪ノ下が陽乃をいつも追っていることも明らかに
「――ああ。雪乃ちゃん、国公立理系志望なんだ・・・・・・」
「昔から変わらないなぁ・・・・・・。お揃いで、お下がりで・・・・・・」
「わたしは雪乃ちゃんのこと大好きだよ」
「ずーっとわたしのあとを追いかけてくる妹のことが可愛くないわけないよ」

 

そして物語の核心へ。
ハイヤーを見せて、
「そんなに探しても見えるところに傷なんて残ってないよ」
「あ、あれ?雪乃ちゃんに聞いてなかったんだ。
 悪いことしちゃったかなぁ・・・・・・」
「あ、でも勘違いしないでね。雪乃ちゃんが悪いわけじゃないんだから」
「あの子はただ乗っていただけだし、何一つ悪いことはしていない。
 それでいいよね、比企谷くん?」

 

ほんと陽乃さん、良いキャラですね。
雪ノ下をずっと見てきた愛情も垣間見えて、
また、「家庭の事情」で表に出ざるをえない陽乃が、
雪ノ下の立場に少しばかり嫉妬しつつ、
それでも雪の下が追ってくるから常に叩き潰してきたようにも感じられます。

 

そして文化祭実行委員の場面へ(第6巻)
「姉さん、何をしに来たの?」
「やだなー、わたし有志団体募集のお知らせ受けたから来たんだって。
 管弦楽部OGとしてね」
「可愛い妹、雪乃ちゃんのためにしてあげられることはしてあげたいんだよ~」
「ふざけないで。・・・・・・だいたい姉さんが」
「私が?何?」
「・・・・・・また、そうやって」
(わたしの居場所を奪っていく)

括弧書きは僕の妄想の第1候補です。
『また』という言葉から、何度も「なにか」があったんでしょう。
「なにか」の第2候補としては、
(わたしを負けさせる)
というのも考えました。
雪の下は陽乃に追いつきたい、勝ちたいと願い、
文化祭副委員長の立場になったのだとしたら、
常勝の陽乃が、雪ノ下の勝ちたいという願いを叩き潰そうとした。
そういった構図です。

でも、居場所を探して陽乃の真似をする雪ノ下だから、
陽乃に居場所を奪われるのを避けたい気持ちが強いと考え、
第2候補としました。

 

葉山と陽乃の関係も出てきます。
「どうしたの?」
「有志で管弦楽でもやろうかと思ってさ、
 OB、OG集めたら面白いかなって。
 楽しそうじゃない?」
「またそうやって思いつきで行動する・・・・・・」

 

そして、八幡との会話・・・
八幡とはいつも濃い話をしています。

「ちゃんと働いているかい。青少年」
「ちょっと意外だな。お姉さん、比企谷くんはこういうことしない子だと思ってたよ」
「だって、部活には居づらくなってるだろうし、
 姉の私が昔、実行委員長をやっていたんだもん。
 あの子がやろうと思う理由には充分よ」

雪ノ下の状況をよく見てます。
その行動心理ですら見透かしたような。
怖い面を全面に押し出してきますね。

 

スローガンを決める会議での八幡の案とその感想
「『人 ~よく見たら片方楽してる文化祭~』とか」
「あっははははははっ!バカだ、バカがいる!もう最っ高!ひ、ひぃ~、
 あー。ダメだお腹痛い」

 

その後の八幡との会話
「やぁやぁ、しっかり働いているかね?」
「あー、・・・・・・しっかりとは働いてないみたいだね」
「あら、不満顔。
 ・・・・・・だってさ、この議事録には比企谷くんの功績が入っていないじゃない」
「比企谷くん?ここでクイズです!
 集団をもっとも団結させる存在はなんでしょ~?」
「正解はね、・・・・・・明確な敵の存在だよ」
「ま、敵がちょーっと小物だけど」
「いいんだよ。君みたいな悪者がちゃんとやってるならそれはそれで
 対抗心がでるでしょ。
 それに、敵がしっかりしてないと成長もないからね。
 争いこそが技術を発展させるのであ~る」
「お姉さん、勘のいいガキは嫌いよ?」

 

八幡が、陽乃の雪の下に対する態度に仮説を設けるようになりました。
陽乃は雪ノ下の敵であり続けるために振る舞っているんじゃないかという。

最も雪の下を見ていて、最も雪の下の成長を願っているのは、
陽乃なんじゃないでしょうか。

 

そして文化祭当日。相模を探すための時間を作るため、
雪の下が初めて陽乃に「手伝って!」と頼みます。

「へぇ・・・・・・、いいよ。
 雪乃ちゃんが私にちゃんとお願いするなんて初めてだし、
 今回はそのお願い聞いてあげる」

「ちゃんとお願い」って、どういうことでしょう。
雪の下がずっと暗に要求し続けたお願いを、
陽乃は叶えてきたのでしょうか。
おそらく家庭の事情と関係した言い回しと思いますが、
これ以上は読み取れません・・・。

 

お願いしてくる雪ノ下の変化を陽乃が認識したとき。
「・・・・・・雪乃ちゃん、成長したのね」
「いいえ・・・・・・私はもともとこういう人間よ。
 一七年一緒にいて見てこなかったの?」
その会話を見た八幡が思ったこと↓
【――ああ、まったくそうだ。雪ノ下雪乃って奴はこういう人間なんだ】

 

時間稼ぎのための、ステージで歌う曲を決めるときに、
雪ノ下が陽乃を追っていたこと、
今はもう追わずに決別したことを表明します。
「ぶっつけ本番でいくのだから、
 私たちができるものをやるしかないでしょう。
 昔、姉さんが文化祭でやった曲。今もできる?」
「誰にものを言っているのかな?雪乃ちゃんこそ、できるの?」
「私は、姉さんが今までやってきたことなら大抵のことはできるのよ」

 

文化祭が終わったあとの、最後に陽乃が棘を残して帰ります。
「はいはい。帰りますよ。じゃ、またね。楽しかったよ。
 今日のこと、お母さんに話したら驚くだろうなぁ・・・・・・、ね?」

母親との関係はまだまだ見えませんね。。。